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呆けたカントに「理性」はあるか (新潮新書) 大井 玄 (著)

この本は今年5月16日に発売された本です。
著者の本は、数冊読んだことがあります。

この本では、胃ろうの問題を中心にして、人間の理性、情動、判断などについて述べられていました。
タイトルにあるように、カントについて、批判的書かれた部分が多くありました。
本の要旨は、呆けても「好き」「嫌い」の感情の部分は衰えないから、
胃ろうをするかどうかの選択においても、直感的に「いやだ」と、
呆けた(認知症の)人でも判断できるという主張です。

個人的には、「シミュレーション」という言葉を新たに捉えなおすことができた点で、有意義でした。
シミュレーションは、自然科学や工学の分野で多用される技法です。
このシミュレーションと唯識を関連付けて叙述されていました。

その具体例として、唯識派の本山、奈良の興福寺に残された和歌が示されています。
 
 手を打てば 鯉は餌と聞き 鳥は逃げ
 女中は茶と聞く 猿沢の池

どの脳も同一の環境情報をそれぞれの経験と記憶に基づいて解釈し、自分なりの世界を仮構しているということが、詠まれています。


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自分で考える勇気 カント哲学入門 御子柴善之

2015/3/20発売の 岩波ジュニア新書です。

私自身、カント哲学に関して、興味を持っていますが、ほとんど原書あるいは翻訳書は読めていません。
職業研究者ではないので、割り切って解説書を読んでいくのもいいのかもしれません。

アンチノミーのところなど、この本を読んでも、
まだ得心が行かないところがありました。

それでも、全体としてコンパクトにまとまっているので、
カントの著作や意義を概観して頭の整理するのに、
すごく役立ちました。

巻末に読書案内もあり、さらに進んで学んでいくことができます。


複雑系の哲学―21世紀の科学への哲学入門 小林 道憲 (著)



私自身、「複雑系」に関して2000年ごろから関心を持っていました。
この本は2年ほど前に買って、積読していたものです。
 実体、個物と見えるものは、生成・流転するこの世界の1断面に過ぎない。あるものが存在するということは、諸関係の関係の項にすぎない。
 このような主張が展開されています。
 この主張を補強するために、ライプニッツ、ヘーゲル、ベルグソン、ホワイトヘッド、西田幾多郎、華厳哲学などが紹介されていました。
 私は仏教に関心があるので、この本は縁起の思想の理解を深めるためにも有用であると思いました。

ライプニッツのモナド論とその射程 [単行本] 酒井 潔 (著)


この本は、著者のこれまで発表した論文を集めたものです。
ですので、全体的に難しいです。
 私は、第11章の「宮沢賢治のモナドロジー」が興味深かったです。
 いろいろな角度からライプニッツが論じられていますので、
みなさまにも興味がひかれる論考が何かあると思います。

新・現代歴史学の名著―普遍から多様へ



この本は、今日本屋でたまたま見つけました。
私自身、歴史にはあまり詳しくないのに、今回取り上げたのは、
フーコー「監獄の誕生」が紹介されていたからです。
「監獄の誕生」が要約されていますので、
フーコーや構造主義に関心がある人も、
ぜひ一読を。

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